パラドックス13/東野圭吾

〜感想〜

首相官邸に、ある現象について報告された。それは「P-13」と呼ばれる恐ろしい内容だった。
警察である誠哉は、ある事件の犯人を追っていた。しかし、本部から理解できない指令を受ける。それは「13時からの20分間は動くな」というものであった。誠哉は職務を優先し、犯人逮捕に動き出した。
13時13分13秒、街から人間が消えた。残されたのは、13人の男女。年齢も違えば境遇も違う。なぜ彼らだけ残されたのかはわからない。街は地震や大雨などの自然災害に襲われ、崩壊していた。そんな中で彼らは生きていくために、協力して食料調達や安全な場所を探していた。
そんな生活をしていくうちに、様々な問題が発生する。食料や人間関係、生き延びるために犠牲を払うかどうかなど、多岐にわたる。しかし、前の世界とは状況が違うため、彼らで善悪を決めなければならない。生きる希望を失った人間を殺してあげることは、善にもなり得る。
誠哉は、なんとか生き延びようとする一方で、「P-13」とは何か、何が起こっているのか、対策はあるのか、という情報を集めるために、首相官邸に向かう。そこで目にした資料には、想像を遥かに超える驚愕の事実が書いてあった。
「P-13」とは何だったのか、13人はなぜ選ばれたのか、今後どのように生きていけばよいのか、というストーリー。

切り口が斬新、かつ緻密な設定がされていた。読み進める中で、13人それぞれの性格や考え方、人間味がよくわかり、さらに彼らの心情の変化がとても伝わってきました。

「P-13」の内容も緻密に考えられており、度重なる自然現象や仲間の死が、単体ではなく軸を持ったストーリーになっていて、頭を使いながら楽しめる作品でした。

おすすめ度:★★★☆☆

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