八日目の蟬/角田光代

〜感想〜

ある女性が他人の赤ちゃんを誘拐し、逃亡しながら育てていく、というストーリー。

誘拐した理由や人間関係は読み進めれば明らかになっていきますが、誘拐された人間の心境の変化が絶妙に描かれていました。

子供からしたら育ててくれたのは誘拐犯で、血縁関係のある親は無関心であったり夜遊びばかりしていたりという状況で、本当の親は誰なのか?誰が悪いのか?という思考になっていく子供の心境には、共感できる部分もありました。

誘拐された側、誘拐した側、そして誘拐された本人、それぞれの怒りや葛藤が伝わってきて、とても考えさせられる内容でした。

そして、最後のシーンは感動します。ぜひ読んでみてください。

おすすめ度:★★★★☆

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