はじめに
「コンサルファームは激務」というイメージは根強くあります。転職を検討する方から「実際どうなんですか」と聞かれることも多いので、実際にSIerからITコンサルファームに移って働いてきた実感をもとに、率直にお話しします。
「プロジェクトワーク」だからこそ波がある
コンサルの仕事は基本的にプロジェクト単位で動きます。そのため、激務になる時期もあれば、比較的落ち着いている時期もあり、常に一定のハイペースが続くわけではありません。 プロジェクトの佳境(要件定義の終盤、資料提出の直前など)は確かに忙しくなりますが、フェーズの合間や、プロジェクトとプロジェクトの間には落ち着いた期間もあります。
この波の大きさは、SIer時代に経験していた「ずっと一定のペースで進む」働き方とは明らかに違う感覚でした。SIerでは一つの大規模プロジェクトに長期間アサインされることが多く、忙しさの波はコンサルほど極端ではありませんでしたが、逆に言えば「落ち着いた時期」も少なかったように思います。
役職によって体感が大きく変わる
働き方の実感は、役職によってかなり差があります。コンサルタントクラス以下であれば、単月だけ切り取ると「激務だ」と感じる月もありますが、年間を通してみると、そこまで極端な激務とは感じないというのが実感です。
一方、マネージャークラスになってくると話が変わってきます。クライアント対応、チームマネジメント、品質管理まで一手に引き受ける立場になるため、土日に稼働しないと回らなくなっている人を実際に見かけることがあります。役職が上がるほど、業務量よりも「責任の重さ」から来る稼働時間の増加が目立つ印象です。メンバーの成果物をチェックし、クライアントへの説明責任を負う立場になると、自分の作業時間に加えてチーム全体の進捗にも責任を持つことになり、単純な作業量以上に神経を使う場面が増えていきます。
「コンサルだから激務」とは一概に言えない
コンサル業界の仲間と情報交換をしていると、よく話題になるのが、激務かどうかは「コンサルかどうか」よりも、ファームごと・部署ごとの差の方が大きいということです。同じ「コンサルファーム」という括りでも、ファームの文化やプロジェクトの性質、部署の忙しさの傾向によって、働き方はまったく異なります。「コンサル=激務」と一括りにするのは、実態を正確に表していないというのが率直な感覚です。
転職活動の場面でも、「コンサルは激務だから」という理由だけで候補先を除外してしまうのはもったいないと感じます。実際に働いている人、できれば志望する部署の人に直接話を聞いて、その会社・部署の実態を確認することをおすすめします。
それでも「緊張感」は他業界より強いと思う理由
ただし、労働時間の長さとは別の軸で、コンサルという業界特有の緊張感は確かにあります。コンサルビジネスは、人(コンサルタントの知見・稼働)そのものが商品です。モノを売る商売と違って、提供する価値の質が担当者個人のアウトプットに直結しやすく、クライアントからの評価がダイレクトに跳ね返ってきます。この構造ゆえの緊張感は、他業界と比べて強い部分があると感じています。
まとめ
コンサルの働き方は、プロジェクト単位であるがゆえに波があり、役職によっても体感が大きく異なります。「コンサルだから激務」と一概には言えず、ファームや部署による差の方が大きいというのが実感です。一方で、人そのものが商品であるビジネス構造ゆえの緊張感は、確かに他業界より強いと感じます。転職を検討する際は、イメージだけで判断せず、実際の現場の声を確認することをおすすめします。
執筆者プロフィール:SIer(元請け)とITコンサルファーム(発注側支援)、両方の立場でプロジェクトに従事(通算9年)。要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応し、基幹システム刷新・DX推進プロジェクトに多数従事。


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