フリーランスの稼働が空く期間(空白期間)のリスクと対策|収入ゼロに備える6つの方法

フリーランスの稼働が空く期間(空白期間)のリスクと対策|収入ゼロに備える6つの方法

はじめに

フリーランスとして働く場合、避けて通れないのが「案件と案件の間に稼働が空く期間」です。会社員であれば、プロジェクトが終わっても次のアサインまで給与は支払われますが、フリーランスは稼働がなければ収入もありません。本記事では、ITフリーランスエージェント(レバテックフリーランス、ITプロパートナーズ、Midworksなど)経由で案件を獲得することを前提に、空白期間が生まれる理由、その間に起きるリスク、そして具体的な備え方を整理します。

なぜ稼働が空くのか

ITフリーランスの契約は準委任契約が多く、1〜3か月ごとに更新していく形が一般的です。つまり、数か月ごとに「次も続くかどうか」の判断が入る働き方です。

稼働が空くきっかけとしては、主に次のようなものがあります。

  • プロジェクトの終了や、クライアント側の予算削減による契約終了
  • クライアント都合での更新見送り(体制縮小、内製化など)
  • 次の案件の開始時期が合わない(参画開始は月初が多く、数週間〜1か月のズレが出やすい)
  • 自分から休みを取る、案件を選ぶために間を空ける

注意したいのは、本人の働きぶりとは関係なく、クライアント側の事情で契約が終わるケースも珍しくない点です。成果を出していれば空白期間は生まれない、とは限りません。

空白期間に起きる4つのリスク

① 収入はゼロでも、税金・社会保険料の支払いは止まらない

国民健康保険料や住民税は、前年の所得をもとに計算されます。そのため、稼働していない月にも、前年の所得をベースにした請求が届きます。国民年金保険料も定額で毎月発生します。空白期間は「収入ゼロ」ではなく、「収入ゼロなのに支出は続く」期間だと考えておく必要があります。

② 失業手当は受け取れない

フリーランスは雇用保険の対象外のため、会社員のように失業手当(雇用保険の基本手当)を受け取ることはできません。空白期間の生活費は、基本的に自分の貯えでまかなうことになります。

③ 焦りから、条件の悪い案件を受けてしまう

収入が途絶える焦りから、単価を下げたり、スキルや志向に合わない案件を受けてしまったりすると、その後のキャリアや単価相場にも影響が残りやすくなります。

④ ブランクが長引くと、次の案件で説明が必要になる

空白期間が長くなると、面談で「この期間は何をしていたか」を聞かれることがあります。期間の長さそのものより、その間に何をしていたかを説明できるかが問われます。

空白期間に備える6つの対策

対策は、「お金の備え」と「案件の途切れにくさ」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。

① 生活防衛資金を確保しておく

生活費の半年〜1年分程度を、すぐに使える形で確保しておくのが基本です。あわせて、税金・社会保険料の支払い分は生活費とは別の口座に分けておくと、空白期間中に資金繰りが苦しくなるのを防げます。

② 年収は「12か月フル稼働」で計算しない

単価×12か月で生活設計をすると、1か月空いただけで計画が崩れます。最初から単価×10〜11か月程度で年収を見積もり、空白期間をあらかじめ織り込んでおくことが大切です。

③ 契約終了の1〜2か月前から次を探す

契約を更新するかどうかは、終了の1か月前ごろに確認されることが多く、そこから次を探し始めると、開始時期のズレで空白が生まれやすくなります。更新の見通しを早めにクライアントやエージェントと共有し、終了の1〜2か月前から動き始めるのが理想です。

④ 案件の入口を1つに絞らない

エージェントを1社に絞らず複数に登録しておく、以前のクライアントや同僚とのつながりを保っておくなど、案件の入口を複数持っておくことが、空白期間を短くすることにつながります。

⑤ 収入源を分散する

週5日の案件1本に頼るのではなく、週2〜3日の案件を掛け持ちする、本業以外の小さな収入源(執筆、テンプレート販売など)を持っておく、といった分散も有効です。1本の契約が終わっても、収入がゼロにはならない状態をつくっておくイメージです。

⑥ 小規模企業共済などの制度を活用する

個人事業主向けの「小規模企業共済」は、掛金が全額所得控除の対象になるうえ、積み立てた掛金の範囲内で貸付を受けられる制度もあります。節税だけでなく、資金繰りのセーフティネットとしても検討する価値があります。

空いた期間をどう使うか

空白期間は、使い方次第でプラスにもできます。

  • 次の案件で求められそうなスキルの学習や、資格の取得に充てる
  • 職務経歴やスキルシートを見直し、次の面談に備える
  • 発信や人脈づくりなど、案件の入口を増やす活動に使う
  • 意図的に休養を取り、次の案件に向けて体調を整える

面談で「この期間は何をしていたか」と聞かれた時に、こうした中身を説明できれば、ブランクはむしろ前向きな材料になります。

フリーランスへの転向を検討している方は、ITコンサルからITフリーランスへ転向すると年収はどうなる?やSIerからITフリーランスへ転向すると年収はどうなる?、フリーランスとしてPM/PMO支援をする働き方もあわせてご覧ください。

まとめ

フリーランスの空白期間は、「起きるかどうか」ではなく「起きる前提でどう備えるか」で考えるべきものです。収入がゼロでも税金・社会保険料の支払いは続き、失業手当もないため、生活防衛資金の確保と、稼働率を織り込んだ年収設計が土台になります。そのうえで、次の案件を早めに探す、案件の入口や収入源を分散するといった工夫で、空白期間そのものを短くしていくことが重要です。


執筆者プロフィール:SIer(元請け)とITコンサルファーム(発注側支援)、両方の立場でプロジェクトに従事(通算9年)。要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応し、基幹システム刷新・DX推進プロジェクトに多数従事。

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