経営層・現場・ベンダーの板挟みを解消する3つのステークホルダーマネジメント術

経営層・現場・ベンダーの板挟みを解消する3つのステークホルダーマネジメント術

はじめに

プロジェクトを推進していると、経営層・現場・ベンダーという3者の間で板挟みになる場面が必ず出てきます。基幹システム刷新の進め方で触れた「関係者間の認識統一」をプロジェクト推進中も継続していくために必要なのが、ステークホルダーマネジメントです。

SIerで4年半、ITコンサルファームで4年半、要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応してきた経験から、板挟みを解消するための3つの考え方を解説します。

板挟みを解消する3つの術

①経営層の意向を現場レベルに言語化して落とし込む

プロジェクトにおいて、経営層の意向は最も重要です。しかし経営層の発言は抽象度が高いことが多く、そのまま現場に伝えても「具体的に何をすればいいのか分からない」という状態になりがちです。

経営層が言っていることを、現場が実行できるレベルまで具体的に言語化して落とし込んであげることが重要です。抽象と具体をつなぎ合わせる役割を担うことで、経営層と現場の間のコンフリクトはある程度解消できます。

②現場の意見を経営層に伝わる形に言語化する

逆方向の翻訳も同じくらい重要です。現場からは、業務の細かい事情を踏まえた具体的な意見や懸念が出てきますが、それをそのまま経営層に伝えても、意図が正しく伝わらないことがあります。現場の意見を、経営層が意思決定に使える形(全体への影響・リスク・優先度などの観点)に言語化して伝えることで、現場の声を経営判断に反映させやすくなります。

経営層⇄現場の間で、双方向の「翻訳者」になることが、このポジションにおける重要な役割です。

③ベンダーへの指示は契約範囲内かを見極める

ベンダーは、あくまで外部の存在であるという前提を忘れてはいけません。契約の範囲内でどこまで対応できるのか、どこまでをベンダーにやってもらうのが契約内容として筋が通っているのかを、きちんと見極めた上で的確な指示を出すことが重要です。

契約範囲を超えた要求を安易に出してしまうと、複数ベンダーが絡むプロジェクトで発注側が整備すべき2つの仕組みで触れた責任分界点が崩れ、後々の追加費用トラブルや関係悪化につながります。

まとめ

経営層・現場・ベンダーの板挟みを解消するためには、「経営層→現場」「現場→経営層」という双方向の翻訳者になることと、ベンダーに対しては契約範囲を見極めた的確な指示を出すことが重要です。この3つを意識するだけで、三者の間に立つポジションでの調整負荷は大きく軽減されます。


執筆者プロフィール:SIerで4年半、ITコンサルファームで4年半、要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応。基幹システム刷新・DX推進プロジェクトに多数従事。

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