基幹システム刷新の進め方|要件定義でつまずかないための3つのポイント

基幹システム刷新の進め方|要件定義でつまずかないための3つのポイント

はじめに

基幹システム刷新プロジェクトの多くは、要件定義フェーズで大きくつまずきます。しかも厄介なことに、つまずきの原因は要件定義そのものではなく、その前段階である「構想策定」の詰めの甘さにあることがほとんどです。

SIerで4年半、ITコンサルファームで4年半、要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応してきた経験から、基幹システム刷新プロジェクトを要件定義でつまずかせないための考え方を解説します。

要件定義でつまずかないための3つのポイント

①超上流で「何を達成したいか」を明確にする

基幹システム刷新で要件定義につまずかないためには、企画・構想策定という超上流の段階で、「この刷新によって何を達成したいのか」「何を解決したいのか」を明確にしておくことが何より重要です。

ここが曖昧なまま要件定義フェーズに入ってしまうと、後から大きな手戻りが発生します。システムの機能要件を議論する前に、まず「何のための刷新か」を言語化しておく必要があります。

②プロジェクトメンバー内で同じ認識を持つ

目的を明確にするだけでなく、プロジェクトメンバー全員が同じ認識を持っている状態を作ることも同じくらい重要です。

これができていないと、様々な関係者が、それぞれ自分の部署・業務にとってのメリットを最大化しようとして、個別の要望を次々に発信し始めます。一つひとつの要望には一理あっても、すべてを満たそうとするとスコープはどんどん肥大化し、結果としてコストが膨れ上がったり、納期が遅れたりすることは避けられません。

③「羅針盤」を作るイメージを持つ

このフェーズでやるべきことは、イメージとして言えば船の羅針盤を作ることです。航海の途中で色々な意見や誘惑が出てきても、「自分たちはどこを目指しているのか」という羅針盤がしっかりしていれば、進むべき方向からぶれずに判断を下せます。

逆に羅針盤がないまま航海に出てしまうと、関係者それぞれの声の大きさや立場の強さによって方向性が左右され、気づけば当初の目的からかけ離れたシステムができあがってしまいます。構想策定の段階で、プロジェクトの目的・優先順位・スコープの境界線を明文化し、関係者間で合意しておくことが、結果的に要件定義フェーズのブレを防ぐ最も効果的な方法です。

まとめ

基幹システム刷新で要件定義につまずかないためには、要件定義そのものを頑張るよりも、その前段階である構想策定の質を上げることが近道です。「何を達成したいかの明確化」「メンバー間の認識統一」「羅針盤となる指針の明文化」の3点を押さえることで、後工程でのスコープ肥大化やコスト超過を防ぎやすくなります。

超上流工程の進め方について、IPA(情報処理推進機構)が公開している「超上流から攻めるIT化の事例集」も参考になります。


執筆者プロフィール:SIerで4年半、ITコンサルファームで4年半、要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応。基幹システム刷新・DX推進プロジェクトに多数従事。

コメント

タイトルとURLをコピーしました