AI導入・AI活用の進め方|何よりもまず「目的」が重要

AI導入・AI活用の進め方|何よりもまず「目的」が重要

はじめに

AIは日々進化しているが中小企業はどう活用?置いていかれないためにでは、独自AIの構築ではなく、既存のAIサービスをどう使い倒すかが論点になるという話をしました。では、実際にAI活用を進めようとなったとき、何から手をつければいいのでしょうか。

結論から言うと、最初にやるべきことは技術選定でも業者探しでもなく、「何のためにAIを導入するのか」という目的を明確にすることです。プロジェクト計画書は「誰のための文書」なのかでも触れましたが、目的が曖昧なプロジェクトは、必ずどこかで迷走します。AI導入はその典型例です。

「AIを使うこと」が目的化する落とし穴

AI導入の相談でとても多いのが、「AIを使って何かしたい」という相談です。この時点では、まだ目的が定まっていません。AIはあくまで課題解決の手段であり、それ自体が目的ではないはずです。

工数削減なのか、属人化の解消なのか、品質向上なのか——解決したい経営課題・業務課題を先に明確にし、そのうえで「それを解決する手段としてAIが使えそうか」を検討する、という順番を間違えないことが重要です。この順番を間違えると、PoC(技術検証)の段階で「結局、何を評価すればいいのか」がわからなくなり、プロジェクトが迷走します。

目的と一緒に「KPI」も決めておく

目的を言語化したら、それに紐づく具体的なKPI(評価指標)も設定しておく必要があります。「業務が楽になればいい」といった曖昧な目標では、AI導入後に「本当に効果が出たのか」を誰も判断できません。

KPIは、定量(例:対象業務の処理時間を◯%削減)と定性(例:担当者の負荷軽減の実感)の両方で設定することをおすすめします。数字だけでは測れない価値もあるからです。

AI導入は「プロジェクト」として進める

目的とKPIが固まったら、次はそれを実現するための進め方です。AI導入は、思いつきで小さく試して終わるものではなく、企画検討→PoC(技術検証)→本番導入準備→本番導入という段階を踏んだプロジェクトとして進める必要があります。

いきなりPoCから始めてしまうと、「何のための検証なのか」が曖昧なまま技術的な実験だけが進み、仮に良い結果が出ても本番導入に進めるべきかの判断基準がない、という事態に陥りがちです。目的・KPIの設定から、本番導入後の継続的な改善まで、一連の流れとして捉えることが重要です。

この一連の流れを、実際のプロジェクト経験をもとに全20ステップに整理し、各ステップの具体的な進め方・注意点・アウトプットまでまとめた資料を、noteで配布しています。企画検討からPoC、本番導入までの進め方を詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

まとめ

AI導入・AI活用を進めるうえで最初にやるべきことは、技術選定ではなく「目的の明確化」です。目的とKPIを先に固定し、それを実現する手段としてAIの活用方法を検討する——この順番を守ることが、PoCで迷走せず、本番導入まで一貫したプロジェクトとして進めるための土台になります。


執筆者プロフィール:SIer(元請け)とITコンサルファーム(発注側支援)、両方の立場でプロジェクトに従事(通算9年)。要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応し、基幹システム刷新・DX推進プロジェクトに多数従事。

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