パッケージ導入かフルスクラッチか?AI時代に判断すべき3つの視点

パッケージ導入かフルスクラッチか?AI時代に判断すべき3つの視点

はじめに

基幹システムを刷新する際、パッケージ製品を導入するか、フルスクラッチで開発するかは、プロジェクトの方向性を決める重要な判断です。この判断基準は、AIによるシステム開発が台頭してきたことで、以前とは変わりつつあります。

SIerで4年半、ITコンサルファームで4年半、要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応してきた経験から、パッケージ導入とフルスクラッチをどう判断すべきか、3つの視点から整理します。

①従来の定石:パッケージ導入が有利だった理由

AIによるシステム開発が主流になる前は、パッケージ導入の方が望ましいとされてきました。理由は主に次の通りです。

  • 必要な機能がある程度網羅されている
  • 保守の品質が基本的に高い
  • 導入ベンダーが倒産しても、他のベンダーが保守を引き継いでくれる可能性が高い
  • 将来的にシステムを乗り換える際も、パッケージであればリプレイスがしやすい

フルスクラッチは自由度が高い一方で、これらの「安定性」の面でパッケージに劣るとされてきたのが、これまでの定石でした。

②AIによるシステム開発の台頭で変わったこと

しかし最近は、AIによるシステム開発が主流になりつつあります。AIでのシステム開発ができる状態であれば、フルスクラッチで実装したい機能を柔軟に盛り込んでいく方が、システムを最大限に活用できるという状況が生まれています。パッケージ製品の標準機能に業務を合わせるのではなく、自社の業務に最適化したシステムを、以前よりも現実的なコスト・期間で作れる可能性が出てきたということです。

③判断を分けるのは「リソース」

とはいえ、AIによるフルスクラッチ開発を選べば常に有利というわけではありません。AIでのシステム開発を進める場合、社内に有識者がいて内製で進められるかどうかが大きな分かれ目になります。

社内に有識者がいなければ、外部のベンダーに依頼することになりますが、その場合は費用が高額になることも想定され、結果としてパッケージ導入の方が有利になる可能性もあります。つまり、AI時代だからフルスクラッチが常に正解というわけではなく、要求事項と使えるリソース(社内の人員・予算)を整理した上で判断することが重要です。

まとめ

パッケージ導入かフルスクラッチかの判断は、「機能網羅性・保守の安定性(従来の軸)」「AIによる開発自由度の向上(新しい軸)」「社内リソース・予算(現実的な制約)」の3つの視点を整理した上で行うことをおすすめします。AIの進化によって選択肢が広がった分、以前よりも慎重な判断軸の整理が必要になっているとも言えます。

なお、パッケージ・フルスクラッチ・AI開発それぞれの比較を整理した判断シートは、noteで配布を検討しています。


執筆者プロフィール:SIerで4年半、ITコンサルファームで4年半、要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応。基幹システム刷新・DX推進プロジェクトに多数従事。

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