Gemini(ジェミニ)とは?Google社の生成AI、できることと特徴

Gemini(ジェミニ)とは?Google社の生成AI、できることと特徴

はじめに

ChatGPTとは?、Claude(クロード)とは?、Microsoft Copilotとは?に続いて、今回はGoogle社の生成AI「Gemini(ジェミニ)」を取り上げます。

GmailやGoogleドキュメント、Androidスマートフォンなど、普段使っているGoogleのサービスの中で「Gemini」という名前を見かける機会が増えた方も多いのではないでしょうか。今回は、Geminiとは何か、何ができるのか、他の生成AIとどう違うのかを、業務で使う視点から整理します。内容は2026年時点の情報に基づいています。

Geminiとは何か

Geminiは、Google社が開発している生成AIです。「Gemini」という名前は、AIモデル(頭脳にあたる部分)の名前であると同時に、利用者が対話するチャットサービス(Geminiアプリ)の名前としても使われています。

もともとGoogleは「Bard(バード)」という名前で対話型AIを提供していましたが、2024年にサービス名をGeminiに統一しました。現在は、Webブラウザやスマートフォンのアプリから利用できるほか、Googleの各種サービスに組み込まれる形でも提供されています。

利用形態は、大きく次の3つに分けて考えると分かりやすくなります。

  • 個人向けのGeminiアプリ:チャット形式で質問・文章作成・要約などを行う。無料で使える範囲と、有料プラン(Google AI Proなど)で使える範囲がある
  • Google Workspaceの中のGemini:Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、ドライブなどの業務アプリの中で使う
  • 開発者向けのAPI:自社のシステムやサービスにGeminiを組み込んで使う

プランごとの料金や使えるモデルは改定が頻繁にあるため、具体的な内容はGoogleの公式サイトで確認することをお勧めします。

Geminiでできること

文章の作成・要約・翻訳

他の生成AIと同様に、メールの下書き、議事録の要約、資料の構成案づくり、翻訳といった文章まわりの作業に使えます。基本的な使い方はChatGPTなどと大きくは変わりません。

画像・音声・動画などを扱うマルチモーダル

Geminiは、開発当初から文字だけでなく画像・音声・動画などを組み合わせて扱う「マルチモーダル」を前提に設計されていることが特徴の一つです。たとえば、ホワイトボードの写真を読み取って内容を整理したり、画像の内容について質問したりといった使い方ができます。マルチモーダルの考え方はマルチモーダルAIとはで解説しています。

Deep Research(調べものの自動化)

Deep Researchは、ある問いに対してGeminiがWeb上の情報を幅広く調べ、レポートの形にまとめてくれる機能です。さらに、GmailやGoogleドライブなどのWorkspace上の情報も参照先として使えるように機能が拡張されてきています。市場調査の下調べや、ある技術テーマの概要把握などに向いています。

ただし、まとめられた内容が常に正しいとは限りません。出典を確認し、重要な数字や事実は自分で裏を取る必要があります。考え方は生成AIの回答をそのまま信じない|精度検証の実務的な進め方を参照してください。

Gems(用途別にカスタマイズしたGemini)

Gemsは、特定の用途に合わせて指示をあらかじめ設定しておける機能です。たとえば「社内向け文書の校正役」「議事録の要約役」のように、毎回同じ前提を説明しなくても使えるようになります。繰り返し発生する定型作業に向いています。

ChatGPT・Claude・Copilotとの違い

①Googleサービスとの連携

Geminiの最も大きな特徴は、Googleのサービスとの連携です。Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、ドライブ、カレンダーといったGoogle Workspaceの中でそのまま使えるため、普段の業務がGoogle Workspace中心の会社では、導入の手間が小さく済みます。

これは、Microsoft 365との連携を強みとするMicrosoft Copilotとちょうど対になる関係です。自社がどちらのオフィス製品を主に使っているかは、AIツールを選ぶうえで大きな判断材料になります。

②検索・最新情報との距離の近さ

検索エンジンを持つGoogleのサービスであることから、Web上の情報を調べる用途との相性が良いとされています。ただし、どの生成AIもWeb検索の機能を強化しているため、この点だけで大きな差がつくわけではありません。

③Androidスマートフォンとの統合

Androidスマートフォンでは、Geminiをアシスタントとして呼び出して使うことができます。外出先での調べものや、スマートフォン上での簡単な作業には便利です。

一方で、長い文書の読み込みやコーディング支援など、用途によってはClaudeの方が向いているという評価もあります。どれか一つが万能というより、用途と利用環境によって選ぶのが現実的です。

業務で使う際の注意点

無料版と業務向けプランのデータの扱いを確認する

個人向けの無料版と、Google Workspaceの業務向けプランでは、入力したデータの扱い(AIの学習に使われるかどうか、管理者がどこまで制御できるか)が異なります。業務で使う場合は、個人アカウントの無料版に社内情報を入力しないことを徹底し、会社として利用するプランと設定を決めておくことが重要です。詳しくは生成AI導入時のセキュリティ・情報漏洩リスクと対策で整理しています。

Workspaceのアクセス権限がそのまま影響する

Workspaceと連携したGeminiは、利用者がアクセスできるファイルやメールを参照して回答を作ります。逆に言えば、ドライブの共有設定が緩いままだと、本来見るべきでない情報がAIの回答経由で目に入る可能性があります。導入前に、ファイルの共有範囲を棚卸ししておくことをお勧めします。

社内ルールを先に決める

どのツールを導入する場合でも、何に使ってよいか、何を入力してはいけないかを先に決めておく必要があります。社内向けAI活用ガイドラインの作り方を参考に、ルールと導入をセットで進めてください。

まとめ

Geminiは、Google社が開発する生成AIで、文章作成・要約に加え、画像なども扱えるマルチモーダル性、Deep Researchによる調べものの自動化、Gemsによる用途別のカスタマイズといった機能を持っています。最大の特徴はGmailやドキュメントなどGoogleのサービスとの連携で、Google Workspaceを中心に業務を回している会社にとっては有力な選択肢です。

一方で、料金や使えるモデルは頻繁に変わり、無料版と業務向けプランでデータの扱いも異なります。自社の利用環境と用途を踏まえ、AIツールの選定基準に沿って、ChatGPTやClaude、Copilotと比較しながら検討してみてください。


執筆者プロフィール:SIer(元請け)とITコンサルファーム(発注側支援)、両方の立場でプロジェクトに従事(通算9年)。要件定義からベンダーマネジメントまで一貫して対応し、基幹システム刷新・DX推進プロジェクトに多数従事。

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